Osaka Kyoiku University Researcher Information
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研究者業績
基本情報
- 所属
- 大阪教育大学 健康安全教育系 教授 (学長補佐(IR・評価担当))(兼任)学校安全推進センター 教授
- 学位
- MSc(Ehime University)修士(農学)(愛媛大学)PhD(The University of Tokyo)博士(工学)(東京大学)
- 研究者番号
- 60423620
- J-GLOBAL ID
- 201201050404862031
- researchmap会員ID
- 7000001849
研究分野
1経歴
5-
2024年4月 - 現在
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2024年4月 - 現在
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2014年4月
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2005年12月 - 2014年3月
-
2003年4月 - 2005年10月
学歴
1-
- 2002年11月
論文
73-
International Journal of Advanced Research 12(01) 586-593 2024年1月31日 査読有り筆頭著者This study investigated the impact of emergency food temperature variation andthe presence of privacyon stress with the aim of potentially reducing the stress of living in an evacuation center during large-scale disasters. Salivary amylase activity of the subjects was measured. Results showed no statistically significant impact on stress due to variations in the temperature of emergency food or privacy. However, the survey noted points for improvement, including experiment settings and relationships between subjects, which highlighted the need for future research and surveys. This study is expected to aid with initiatives that reduce stress in evacuation centershowever, more detailed condition settings are required in order to eliminate individual stress level differences.
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日本地理学会発表要旨集 2024s 158 2024年1.はじめに 中学校公民的分野における防災教育は社会参画力の育成を企図した教材の開発研究や授業実践が多くみられ,例えば井上(2020)では,防災福祉コミュニティー活性化の方法について考えさせて災害に強いまちづくりを担える市民育成を目指した授業実践を行い1),國原(2017)では地方議会の防災や震災地支援等に関する会議録を利用して社会的合意形成を学ばせるとともに,地域防災の課題について理解を深められる授業実践を行った2)。ここで,中学校地理学的分野での防災に関する既習事項と社会参画力育成を企図する公民的分野での学習を意識的にスムーズに接続しようとする授業実践は存外少なく,分野横断的な学びや,発達段階や地域の特徴に合わせた防災教育の必要性が重要視される昨今において,その実践例の蓄積が求められていると考えられる。 そこで本研究では,佐賀大学教育学部付属中学校で実施した,地理的分野での既習事項を活用した公民的分野での防災教育の実践を報告する。特に本研究では,高い防災意識をもつ市民育成を目指し,地理学的知識や技術を活用しながら,妥当性のある新規避難所の開設の検討やその要望を実際に自治体に要望を行った活動を中心に報告を行う。 2.単元の概要 2-1.地理的分野:地理的分野の実施単元は別稿にて報告済みで3),中学校学習指導要領の「地域調査の手法」に該当し,避難マップを作成させた。主な既習事項は,佐賀市周辺の氾濫原地形,新旧地形図の対比や氾濫原の微地形と伝統的な土地利用の関係,ハザードマップの見方などである。 2-2.公民的分野:公民的分野の実施単元は学習指導要領の「民主政治と政治参加」に該当し,主に地方自治を取り扱った。昨年度の地理的分野の学びから見出した防災における地域の課題を,対立と合意,効率と公正,個人の尊重と法の支配,民主主義などに着目して捉える内容としており,パフォーマンス課題「防災について,自らが住む地域の行政に意見しよう」を設定した。本研究で報告するのは,全9時間の学習活動のうちの後半部分で(表1),LP (ラーニングパートナー)として,著者の一人である黒田と佐賀市役所危機防災課の職員を設定した。前者は6時間目に生徒が作成した解決案や政策案に対しアドバイスを行い,後者は8時間目に生徒が主張・要望する新規避難所に対する意見聴取を行い,後日開設の実現性の回答を行った。 3.結果 一例として,佐賀市南部に位置する佐賀県農業大学校を新たな避難所として開設できるよう求めたグループを紹介する。このグループは地域の課題として,佐賀市南部の水害地形である氾濫原に建つ堅牢な建物を防災対策として活用していない現状に疑問を抱き,費用対効果の見方から政策の実現可能性を吟味し,6時間目にLPへその建物の避難所としての利活用の提案・要望を行った。しかし,その後LPからの回答より,地域と施設との間で避難所として使用する取り決めがあることが明らかとなり,新規に避難所指定することでその地域住民が十分に活用できない状況になるのではないかと,政策の提案を取りやめた。ただし,その地域の住民であるこのグループの一員であった生徒自身が避難所として活用できることを知らなかったことから,一部の地域住民しか知らない状況を打破するための在り方について議論する様子が見られた。 4.まとめ 地理的分野での既習事項を活用した公民的分野での防災教育の実践を報告した。その結果以下のことが分かった。 1) 地理的分野で既習済みの地域の地形の特徴や災害リスクをもとに,避難所として妥当な建築物を選び取ることができた。 これにより,公民的分野における地方自治の学習に対して,現実味のある市民参画を体験できる活動を行うことができた。2) 新規避難所開設の要望活動を通じて,地域の諸事情を勘案しながら防災に関する議論を行うことができた。 参考文献 1)井上昌善(2020):シティズンシップ育成を目指す防災学習の論理-中学校社会科公民的分野単元「災害に強いまちのあり方を考えよう!」 の開発を中心に-.防災教育学研究,1 - 1,p. 81-92. 2)國原幸一朗(2017):地方議会における争点をふまえた公民の授業 : 東海豪雨と東日本大震災を事例として.名古屋学院大学論集 人文・自然科学篇 ,53 - 2,p. 93-106.3) 黒田圭介・山岡貴秀・後藤健介(2023):中学校地理における微地形判読を通した水害ハザードマップの評価活動事例.中学校地理における微地形判読を通した水害ハザードマップの評価活動事例.日本地理学会発表要旨集,104,p.144.
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International Journal of Advanced Research 11(11) 1198-1209 2023年11月30日 査読有り筆頭著者The earthquakes in Kumamoto (2016) and Osaka (2018) in Japan revealed grave repercussions of collapsed block walls, causing fatalities and severe damage. These incidents underscored the need for understanding and mitigating the risk posed by these structures. In response, this study focused on assessing block walls collapse risk. Surveys across Nagasaki, Tokyo, and Chiba scrutinized various factors like rebar presence, wall appearance, and maintenance status using a Japan Concrete Block Association chart. Results revealed alarming statistics: 38% of block walls in Nagasaki posed a danger, with factors like lack of rebar and wall age significantly impacting collapse risk. Comparing regions, earthquake-experienced Kanto had 19% risky block walls versus 38% in less-experienced Kyushu, emphasizing the influence of earthquake awareness on residents perception of block wall risks. Lack of rebar emerged as a primary risk factor across all areas. Considering block walls have a lifespan of 20-30 years, deteriorating rebar due to corrosion poses imminent risks. Urgent surveys and awareness campaigns, especially along school routes, are crucial to prevent tragedies like the young girls death in Osaka. The study emphasizes scholars responsibility to disseminate accurate information about block wall risks during earthquakes. However, challenges persist, such as unclear property ownership, hindering countermeasures even after identifying high-risk walls. Looking ahead, national diagnostic surveys are essential to address the looming danger, especially considering potential seismic events like the Nankai Trough Earthquake. Disaster education must prioritize teaching children about the risks of block walls during earthquakes to ensure their safety.
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Journal of medical entomology 2023年10月20日 査読有りFemale sand fleas (Tunga penetrans Linnaeus, 1758, Siphonaptera: Tungidae) cause a severe parasitic skin disease known as tungiasis. T. penetrans is a small flea, measuring less than 1 mm in length. The females of this species burrow into the skin of human and animal hosts and mostly affect the feet. This has led to the anecdotal assumption that T. penetrans, unlike its relatives in the Siphonaptera family, would have a limited jumping ability potentially not reaching higher body parts. However, there is no data supporting this. This study evaluated the jumping capabilities of T. penetrans for height and distance using sticky tapes. The vertical jump of the female T. penetrans ranged from 4.5 to 100 mm with a mean of 40 mm whereas the vertical jump of the male T. penetrans ranged from 1.2 to 138 mm with a mean of 46 mm. The horizontal jump of the female T. penetrans ranged from 18 to 138 mm with a mean of 64 mm and that of the male ranged from 9 to 251 mm with a mean of 80 mm. Based on the literature, fleas of various species have been described as jumping vertically 50-100 times their size and horizontally 5-100 times their size. In this respect, sand fleas appear to have equal expert jumping abilities to their relatives. Their aggregation on people's feet is not likely a result of their poor jumping ability but might be an adaptation to the host's behavior which would require further investigations.
MISC
211-
季刊地理学 = Quarterly journal of geography 64(3) 130-131 2013年1月15日
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日本地理学会発表要旨集 2012(82) 149-100005 2012年9月10日自然災害による地形条件分析として高精度DEMによる標高変化を見ることが有効かと思われるが,甚大な災害でなければ通常その前後の同一地域のDEMはない。しかし大小多くの自然災害が毎年生じ,DEMに代わる地形条件変化の推定手法が必要である。人工衛星の反射率データは,可視領域以外に近・熱赤外域など幅広い波長帯を捉えることができるため,空中写真を超える多様な土地条件分析が可能である。たとえばこれらのデータから導かれるNDXIすなわちNDVI(正規化植生指数),NDSI(正規化土壌指数),NDWI(正規化水指数)はそれぞれ植生,土壌,水の存在を判断できるため,植生区分や自然災害に伴う地形条件分析に利用されている。そこで大分川を事例にNDXIを地形条件変化の指標となせるかを課題とし,NDXI変化の特徴と堤外地形との関係を分析した。
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日本地理学会発表要旨集 2012(81) 230-100203 2012年3月10日福岡市史では考古特別編として環境,景観,遺跡といったキーワードで多様な側面から福岡の歴史を先史から現代まで通覧する巻が作成されている.このために作成された土地利用図を利用して水害という観点から,福岡市の近代以降における土地利用変化と災害との関係を考えていくためのステップとして,土地利用変化が河川のどの地点に影響を及ぼすかを検討した. 分析対象地域は福岡市とし,特に事例として室見川を扱うこととした.明治以降現在まで4時期の土地利用図を作成し,流出係数を対応させて一定の雨量があった場合,各地点での流量が明治から平成にかけてどのように変化したかを見る.観測点は主要な河川との合流点および河口に設定した.このとき同一の雨量で同一地点における河川流量の変化と共に,明治期を100とした場合の各地点における変化率を算出した.その結果(1)明治から平成にかけて,河川下流域における流量が増加しており,都市化による河川流量への影響が数値的に明らかに示されたこと,(2)変化率においては明治から昭和初期にかけての上流域において大きな値が示され,山林利用の変化が明治から昭和初期にかけて上流域に大きな影響を与えたことが明かとなった.この2点から土地利用の長期的変化と自然災害の関係を考えていく上では都市化だけでなく山林利用の変化や上流域における土砂災害などを考慮していく必要があると考えられる.今後の課題としたい.
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日本地理学会発表要旨集 2012(81) 246-100010 2012年3月10日自然災害予測に不可欠な地形区分は,主に空中写真の実体視判読で実施するが,広域を対象とする場合には,衛星画像による判読やDEMを用いた自動分類が知られている。DEMを用いた地形区分は,山地・丘陵地の斜面に対しGIS解析による微地形区分手法が近年検討されたが,平野の微地形に関しては区分の試みが十分ではない。そこで筆者らは福岡平野の二級河川に対し,DEMで作成した陰影図による微地形区分を試み,空中写真以上の詳細な区分が可能で,結果は氾濫の背景を説明しやすいことを確認した。しかし多様かつ大規模な地形を持つ河川での同様の検討が残された。そこで大分川(一級河川)を対象に陰影図による地形区分を実施し,地形の特徴を地形縦断曲線から分析した。
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日本地理学会発表要旨集 2011(80) 158-100144 2011年9月10日近年、豪雨による内部水害を含む河川氾濫が多く発生しており、効果的な河川整備の重要性が高まっている。しかし、河川整備を急ぐ必要がある箇所は、氾濫後に判明することもあり、氾濫域における環境や地形などの特性を整理していくことが重要になってくる。本研究では、衛星データおよびDEMデータを用い、実際の水害時の氾濫域における地表流水の溜まりやすさ等の地表流水の水文状況を調べ、河川整備に有効となり得るデータを検討した。 <br> 対象地は2009年に発生した那珂川の水害氾濫域、および2003年に発生した御笠川の水害氾濫域とし、衛星データはTerra/ASTERの可視近赤外(VNIR、地上分解能15m)データと短波長赤外(SWIR、地上分解能30m)データを用い、地上分解能を15mに統一してリサンプリングを行った。標高データは、国土地理院のレーザー取得による基盤地図情報5mメッシュ(標高)データ(DEMデータ)を用いた。研究手法として、衛星データとDEMデータから地表流水状況を表す指標を算出し、その分布図を作成して実際の氾濫図と照らし合わせる。地表流水状況を表す指標としては、衛星データからNDWI(正規化水指標)を算出し、通常時における地表面の湿潤状況を調べたほか、NDVI(正規化植生指標)を算出し、植物活性度を調べることで、氾濫域における植生の分布度について調べた。DEMデータからはTWI(地形湿度指標)を算出し、地形的な地表流水の溜まりやすさを調べた。<br> このことで、衛星データ解析による季節などによって変化が生じる地表面の実際の湿潤状況や植生の分布度と、DEMデータ解析による不変的な地形に依存する地表流水の溜まりやすさを把握することができ、これらの結果と実際の氾濫分布とを比較した。その結果、今回の研究において、TWIが異なる水害の氾濫域において、同じような高い値を示したことから、この指標を今後の河川整備にも応用できる可能性があると考えられる。今回は2つの水害の氾濫域についてのみの解析であったため、十分な結果が得られたとは言えないが、今後、他の水害についても氾濫域におけるTWIを算出し、ケーススタディを増やしていけば、氾濫しやすい地形条件を見つけ出す基準値も導き出せる可能性もある。
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日本地理学会発表要旨集 2011(80) 157-100003 2011年9月10日平成21年7月中国・九州北部豪雨により那珂川流域では多数の斜面崩壊が発生し,那珂川は那珂川町から福岡市中心部までの沿岸で溢流・氾濫したため多くの被害が出た。この溢流・氾濫の実態は調査されたが,それらを誘導した土地条件(土地利用,土地被覆,地形条件など)に関して検討が十分ではない。また近年,レーザーデータを用いた斜面崩壊や活断層に関する地形解析が試みられているが,氾濫原に対する地形解析例はあまりない。そこで本研究では那珂川町での溢流・氾濫に関わる土地(地形)条件をレーザーデータによる地域区分を通じて検討し,その有用性を示した。地域区分としては地形区分と流域区分を扱った。
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日本地理学会発表要旨集 2011(80) 153-100138 2011年9月10日2011年1月26日から27日に噴火した霧島火山新燃岳の降下テフラ層について調査結果を報告する。<br>〈BR〉 この噴火で降下堆積したテフラ層は、灰白色で発泡の悪い軽石を主体とする。層厚数?p程度で堆積した地域のテフラ層は、極めてルーズで粘着性に乏しい。このゾーンのテフラは重量比で9割以上が1φ以上の粒径を示す。降灰の主軸付近は、4φ未満のシルト以下の粒子の重量比は1%前後にすぎない。しかし、降灰主軸の南側では、次第に1φ未満の細粒テフラの比率が増加する傾向にあり、卓越風向の影響があったことを示す。<br>〈BR〉 2月6日と3月6日に同じ地点で火山灰層厚を比較した結果、大部分の地点では層厚が減少したが、火山灰層の薄い場所では、生物擾乱による層厚増加が認められた。また、3月6日と6月4日の調査結果を比較すると、変化がない地点と少し層厚が増す地点とが生じ、生物擾乱が相当程度影響することが解明された。また、降下テフラの土色はおおむね黒色方向に変化する傾向が認められた。これらの事実から、降下堆積後4か月後には、ある程度テフラ層の土壌化過程が生じたことがわかる。<br><br>
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日本地理学会発表要旨集 2011(80) 149-100109 2011年9月10日GISの普及により,デジタル化した空中写真画像を人工衛星データと同じ取り扱いで最尤法により半自動的に分類項目ごとに分類し,土地被覆分類図を作成することは容易になってきた(黒田ほか,2010)1)。この空中写真の解像度は1m以下とすることも十分可能で,我々が一般的に入手しうる人工衛星データのどれよりも高分解能な画像解析が可能である。しかし,空中写真による最尤法分類は,R(赤,LANDSATデータのバンド3相当),G(緑,同バンド2相当),B(青,同バンド1相当)の可視領域の波長帯データのみを用いたものとなるため誤分類が頻発する。通常,人工衛星データを用いた最尤法による土地被覆分類では,可視領域の波長帯データとともに不可視領域のデータが用いられ,特に植物の反射率が最も高くなる近赤外域の波長帯データは,例えばコンクリート等でできた人工建造物と光合成を行っている森林や草原などの植物とを分類する際の重要な指標となる。そこで筆者らは,空中写真に近赤外域(LANDSATデータのバンド4)の波長帯データ画像をGISでコンポジットし,これを教師付き最尤法分類することで土地被覆分類図の作成を試みた。本研究では,都市河川の堤内外の周辺環境をデジタルデータ化し,氾濫災害の要因分析や氾濫予測に有効な河川地理情報として整備する一環として,福岡市を貫流する二級河川の那珂川中流域を対象に土地被覆分類図を作成した。その結果は以下の通り。1)RGB3バンドの空中写真に近赤外域のLANDSATデータバンド4画像をコンポジットすることにより,分類精度の向上が見込める。よって,カラー空中写真とLANDSATデータが整備されはじめた1970年代までさかのぼって高詳細な土地被覆分類図が作成可能と考えられる。2)目視判読と手作業による土地利用図は膨大な時間をかけて作成されるが,本研究の方法だと土地被覆分類図が容易にかつ短時間で作成可能である。また,GIS上で各種解析作業ができるので,例えば都市化の様子を定量的に把握したり,河川氾濫範囲と土地利用変化をオーバーレイすることにより,どのような場所が被害を受けたか,その場所がもともとどのような土地被覆であったか等を容易に求めるたりすることができると考えられる。
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日本地理学会発表要旨集 2011(79) 272-205 2011年3月10日福岡平野の二級河川では近年豪雨に伴う多くの氾濫被害が生じた。その背景には,都市域ではアスファルトやコンクリート舗装が多く,地下に雨水が浸透しにくく,比較的短時間に雨水が河川に流入することが考えられる。地域防災を念頭に置くと雨水の流出(浸透)の程度を示す土地被覆状況の適切な量的評価と分布表示に関する検討を行う必要がある。本研究では,フリーでダウンロード可能な国土の数値情報から土地利用と標高データなどを利用し,福岡平野における近年の氾濫を説明できる土地被覆状況に関し,適切な量的評価と分布表示方法を検討した。結果は以下の通りである。<BR>1)土地利用区分に流出係数を対応付けたメッシュ単位の表示は氾濫に脆弱な地域の抽出に利用できる。2)数値標高モデル10mメッシュ(標高) で求めた適切な集水規模による流域単位に対する流出係数の評価は,氾濫の地形条件や土地被覆状況の背景説明に利用できる。ただ10mメッシュ(標高) は,個々の氾濫域に対する流域単位の精度がレーザーによる5mメッシュに比べ十分ではない。3)地形図による土地利用図は土地利用細分メッシュの量的評価に比べ,公園等の広場や道路網に対応する流出係数の都市内部の詳細分布を示せる。ただ広場の緑地とアスファルト等舗装域の判別がなく問題が残る。4)地域単位間の土地被覆状況に関する量的評価の差分から,氾濫危険性の認識差を持つ可能性のある地域を抽出できる。ただ抽出精度の向上には適切な地域単位の設定の課題が残る。
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International Journal of Medicine and Medical Sciences 3(7) 223-226 2011年
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日本地理学会発表要旨集 2010(78) 187-113 2010年9月10日平成16年度に開始された福岡市史編纂作業は,平成35年度までの20年間を総事業期間とする福岡市の重要な事業である。そこでは地理学,地質学,生物学,考古学などの担当者により福岡市の歴史に関わる環境,景観,遺跡などに関し,先史から現代までを通覧する考古特別編の作成が進んでいる。近現代に関する地域史を広く参照すると,本編では地域実態の表現に数値表を示すことが多く,域外者は主題分布の理解が難しいため,付図として旧版地形図や土地利用図が添付される傾向がある。それを考慮し考古特別編作成では主題分布の理解を助けるために,GISによる福岡市に関する考古遺跡の分布情報整備に加え,紙地図,衛星データ,統計データなどから地理空間情報も整備・収集し主題図の作成を進めてきた。本発表では,紙地図の地形図から作成した地理空間情報の編集結果とその表現試案を報告する。<BR> 検討の結果,土地利用データは同一縮尺地形図の欠落や地図記号の変化に伴い範囲や区分基準を統一できない問題があり,標高データは地形図作成方法の相違や標高補間方法の制約により精度を統一できない問題があった。
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衞生動物 61 48-48 2010年4月1日
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日本地理学会発表要旨集 2010(77) 261-255 2010年3月10日平成21年7月中国・九州北部豪雨では,降り始めから3日間の累加雨量が,那珂川町(南畑)で561mmに達した。福岡県では過去1999年,2003年に時間雨量100mmに達する集中豪雨があり,太宰府市や宇美町では土石流や洪水が発生し,博多駅前の御笠川は両年とも氾濫した。今回の豪雨ではそれを越える連続雨量とそれに匹敵する時間雨量を記録し,那珂川流域では上流での斜面崩壊や土石流,下流では那珂川町から福岡市中心部に至る沿岸などで溢流・氾濫による洪水被害が生じた。本研究では那珂川町での洪水被害の実態とその地盤条件を整理した。<BR>検討を通じて次の1)-5)を示した。1)地盤のより低い場所(旧河道,後背湿地)では浸水深は深く,より高い場所(自然堤防)では浅かった。2)橋や堰などの洪水流の障害となる河川施設で水位が上昇した場所と,河道屈曲で攻撃斜面となる場所で溢流した。3)土砂は溢流直後に運搬力が急低下し河道に近い旧河道と後背湿地で多く残り,河道から遠くへは運搬されなかった。4)1)-3)の特徴は2009年の那珂川町における洪水被害が,一般的な氾濫と被害との関係を逸脱しない教科書的なものだったことを示している。5)地盤が周囲よりも低い場所に開発された住宅地と,堤防により氾濫水が停滞した住宅地での被害が大きかった。
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Proceedings of the 5th Symposium on Sedimant-Related Disasters 213-218 2010年
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応用地質 50(3) 151-159 2009年8月10日2005年福岡県西方沖地震により福岡市市街地では各所で道路や建物などの構造物に多くの被害が生じた.本研究ではその地震でさまざまな構造物に生じた亀裂の観察方法と解析方法を工夫し,GISで被害分布図を作成した.市街地で見られた亀裂の程度と開口量を7階級に読み替え被害程度のドットマップとし,さらにGIS解析でドットマップから被害分布図を作成した.その図と地質・地形条件との関係を検討した結果,(1)地震被害は基盤深度の深い海岸付近,警固断層の東側,埋没谷で大きく,基盤深度の浅い地下の基盤の高まりや丘陵地近傍で小さい,(2)地震被害は段丘,自然堤防,沖積低地で小さく,海岸付近の地形(戦後の埋立地,海岸低地,砂丘)や丘陵地で大きいことが示された.したがって,亀裂に着目した本手法による被害分布図はある程度の客観性を持つと考えられる.
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応用地質 50(3) 151-159 2009年8月10日2005年福岡県西方沖地震により福岡市市街地では各所で道路や建物などの構造物に多くの被害が生じた.本研究ではその地震でさまざまな構造物に生じた亀裂の観察方法と解析方法を工夫し,GISで被害分布図を作成した.市街地で見られた亀裂の程度と開口量を7階級に読み替え被害程度のドットマップとし,さらにGIS解析でドットマップから被害分布図を作成した.その図と地質・地形条件との関係を検討した結果,(1)地震被害は基盤深度の深い海岸付近,警固断層の東側,埋没谷で大きく,基盤深度の浅い地下の基盤の高まりや丘陵地近傍で小さい,(2)地震被害は段丘,自然堤防,沖積低地で小さく,海岸付近の地形(戦後の埋立地,海岸低地,砂丘)や丘陵地で大きいことが示された.したがって,亀裂に着目した本手法による被害分布図はある程度の客観性を持つと考えられる.
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日本地理学会発表要旨集 2009(75) 260-218 2009年3月10日1. はじめに<BR> 土石流や地すべりなどの土砂崩壊地では、地形が変化するだけではなく、植生などの自然環境も大きく変化する。特に地震や豪雨時においては土砂災害が頻発することが多く、環境への影響は大きい。一度崩壊した崩壊地では、やがて植生が回復し、それに伴い土層も回復していくが、元々崩れやすい特性を持つ崩壊地では、次第に風化が進んでいき、土砂崩壊が再発する確率が高い1)。このような土砂崩壊地での崩壊後の植生や土層の回復状況などの環境変動については、災害前後での短期モニタリングについての研究はあるものの2)、長期モニタリングを行い、土砂崩壊の再発予測に資することができるような調査・研究は少ない。<BR> 本研究では、崩壊地における環境変動の定量的調査が可能である、衛星データを用いた長期モニタリングを行い、環境変動を数値化し、その時系列変化を調べることとした。<BR>2. 研究方法<BR>2.1 研究対象地<BR> 対象地は、衛星データによって長い期間でのモニタリングを行うため、1980年前後の土砂崩壊地の中から選定することとした。その結果、多数の斜面崩壊が発生し、その被害や洪水によって299人の被害を出した1982年長崎豪雨3)の土砂崩壊地とした。<BR>2.2 解析に用いた衛星データ<BR> 本研究では、長期モニタリングを行う必要があることから、1972年に打ち上げられ、その後も後継機が打ち上げられて現在も継続して地球を観測し続けているLANDSATデータとした。データの質を同じにするため、その中でもTMデータ(解像度30m)を用いた。観測時期が災害後の1984年5月22日から2005年5月16日までの数データを用いて、実際に土砂災害が発生した崩壊地についてモニタリングを行い、時系列的に環境変動を調べた。土砂崩壊地の特定には、1982年に撮影された朝日航洋の空中写真をオルソ化したものを用いた。<BR>2.3 環境変動指標<BR> 衛星データから環境変動を見ていく場合、その変化を数値として捉えることができる、いくつかの環境指標を算出し、その変化を見て行くことが望ましい。本研究では、正規化植生指標NDVI(Normalized Difference Vegetation Index)、正規化水指標NDWI(Normalized Difference Water Index)、正規化土壌指標(Normalized Difference Soil Index)の3種類の環境指標を算出し、土砂崩壊地におけるそれらの値の変化を追っていった。<BR> また、国土地理院による数値地図50mメッシュ(標高)から崩壊地における標高と傾斜角を求め、各環境指標との関係を調べ、環境指標の特徴を捉えることとした。<BR>3. まとめ<BR> 本研究では、土砂崩壊地での環境指標を時系列解析していくことで、土砂崩壊後の環境変動を定量的に把握することができた。また、標高データとの関係を調べ、環境変動の特性を捉えることができた。<BR>衛星データを用いた長期モニタリングによる研究は、崩壊地の環境変動を数値化した定量的調査ができ、さらには、今後も継続して同質のデータを用いることができることから、その重要性は高い。今後も、他の土砂崩壊地について、同様のモニタリングを行い、ケーススタディーを増やすことで、土砂崩壊後の自然環境変化の特徴を調べていくつもりである。<BR>謝辞 本研究は平成20年度科研費補助金(基盤研究(C));課題番号18500780「人工衛星データによる斜面特性の評価の詳細研究」(研究代表者 黒木貴一)による研究成果の一部である。ここに謝意を表します。<BR>参考文献<BR>1)磯 望、後藤健介、黒木貴一:太宰府四王寺山脈南東斜面における土石流災害、西南学院大学 教育・福祉論集、第3巻、第2号、pp.23-37、2004.<BR>2)後藤健介、磯 望、黒木貴一、陶野郁雄、植村奈津子、谷山久実、御厨えり子:四王寺山脈(太宰府市域)における土石流災害、自然災害研究協議会西部地区部会報・研究論文集、第28号、自然災害研究協議会西部地区部会、pp.101-104、2004.<BR>3)長崎大学7・23長崎豪雨災害学術調査団編:昭和57年7月長崎豪雨による災害の調査報告書、145p、1982.
書籍等出版物
10共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2023年4月 - 2027年3月
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2022年4月 - 2024年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2019年4月 - 2024年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 2017年4月 - 2022年3月
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 2018年4月 - 2021年3月