成實 朋子

海外教育実習体験(台湾)プロジェクトは,大阪教育大学大学院に所属する院生が,台湾南部の高雄師範大学附属小学校の小学生に対して授業を行うものである。平成24年度から始まった本プロジェクトは,大学院生が多様な文化背景を持つ子どもへの理解を進めることを目的とし,院生自らがプログラムを企画する中で「教える」と言う行為に対して新たな意味づけを行うことを目指すものである。同プロジェクトでは,専攻科目の違う大学院生が選出され,一つのチームとして授業を構想する。他専攻の院生同士が授業構想を行うことから,互いの専門性や個性を生かしながら科目の枠組みを超えた授業が構想され,現在まで毎年多様な授業実践がなされてきている。本稿においては,平成27年度III期生の3グループの中からγ班の実践を紹介する。γ班は,小学6年生を対象にオノマトペを用いた絵本作りの実践を行った。本実践においては,日本の特徴的な言語文化であるオノマトペを用いることによって,台湾の小学生の「ことば」そのものへの興味喚起を促し,異文化において可能な言語活動プログラムを考究した。