本論文は、アメリカの作曲家スコット・ジョプリン(Joplin, Scott 1868-1917)のオペラ《トゥリーモニシャ Treemonisha》(1911)に使用されている減7の和音の効果と役割について探究するものである。
ジョプリンの音楽全般については、ピアノラグタイムのリズム研究や、オペラ《トゥリーモニシャ》の楽曲の数小節を対象とした研究等はあるが、オペラ《トゥリーモニシャ》の全曲を対象とした研究は存在しない。そこで筆者は、オペラ《トゥリーモニシャ》全曲を詳細に分析し、そこで多用さ...