Masaya Setoguchi

本発表の目的は、ディルタイの教育学体系と、当時ディルタイが関与していたプロイセンのギムナジウム改革との関係を明らかにすることである。この目的のために、ディルタイと彼の友人ヨルク伯爵との間で交わされた人文主義ギムナジウム改革をめぐる往復書簡の分析を行う。この分析から明らかになることは、ディルタイの教育学体系は、彼のギムナジウム改革論の理論的根拠となっており、ディルタイとヨルクが教育改革に求めていたものは、生徒に歴史的意識の形成と発展をもたらすことであり、ディルタイ自身もこの歴史的意識に基づいて、精神諸科学の哲学的基礎づけの例として、教育学の哲学的基礎づけを試みているということである。